
【この記事の著者について】
・現役の福祉施設職員
・2級FP技能士(2025年3月取得)
・2018年10月に株式投資をスタート!
・投資のスタイル:長期保有(バイアンドホールド)が基本
・高配当銘柄が大好き!株主優待も大好き!
・「社会福祉士が成年後見人を目指すブログ」を運営中
地域包括支援センターの給料が安いと言われる理由

市役所が関わってるなら、
公務員並みに安定して高いお給料だと思ってました…!

たしかにそう思いがちですが、
実際は自治体が民間法人に委託しているケースが多いんです。
そのため、公務員ほどの給料や手当が出ないことも多いんですよ。
財源構造と運営体制の問題
地域包括支援センターは「介護保険制度」に基づき、市区町村が設置する機関ですが、
実際の運営は民間の社会福祉法人・医療法人などに委託されているケースが多くあります。
この委託運営では、**自治体から支給される運営費(委託料)**が財源となり、
その中から人件費や事務費をまかなう必要があります。
そのため、高額な人件費を確保する余裕が少ないという現実があります。
つまり、「営利事業ではなく、税金で支えられる非営利事業である」という点が、給料が低めに抑えられる一因となっています。
業務内容に対して報酬が見合っていない
地域包括支援センターでは、以下のような幅広い業務を担当します:
- 高齢者や家族の相談支援(介護・生活・医療・金銭など)
- 虐待対応や権利擁護、成年後見制度の説明
- 地域ケア会議の運営
- 地域の医療・介護との多職種連携
- 要支援者のケアプラン作成(介護予防ケアマネ)
こうした業務は複雑かつ専門性が高く、
責任も重いにも関わらず、給与にそれが反映されにくいのが実情です。
中には、市役所や病院と対等に交渉する場面もあるため、
高いコミュニケーション能力や判断力も求められます。

こんなに幅広い業務を一手に担ってたら…そりゃあ“給料以上の仕事”って感じになりますよね。
実際の給与水準と他職種との比較

やっぱり障害分野の相談支援や医療ソーシャルワーカーの方が、
稼げる可能性は高いのかな…?

そうですね。
夜勤手当や加算対象のある職種の方が“収入アップ”につながる可能性はあります。
ただし、自分に合った働き方ややりがいとのバランスも大切です!!
以下は、2024年度の求人情報や厚労省の統計から見た、
福祉・介護関連職種の給与比較です。
職種 | 平均月収(総支給) | 手取りの目安 | 備考 |
---|---|---|---|
地域包括支援センター職員 | 22万〜25万円 | 18万〜21万円 | 主任ケアマネ・社会福祉士等の有資格者が対象 |
特養 介護職(夜勤あり) | 25万〜28万円 | 20万〜23万円 | 夜勤手当・処遇改善加算あり |
医療ソーシャルワーカー | 23万〜26万円 | 19万〜22万円 | 公立病院はさらに高水準の傾向 |
相談支援専門員(障害) | 23万〜27万円 | 19万〜23万円 | 加算対象のケース支援数による差あり |
上記のように、夜勤がある職種や、加算制度が充実している職場の方が手取りが高くなる傾向にあります。
>>【相談支援専門員の給料は安い?】実態・年収アップの方法・副業で収入を増やす戦略
地域包括支援センターのメリットとキャリアパス
メリット①:定時退社・土日休みの働きやすさ
包括支援センターは、基本的に日勤のみ・土日祝休みのところが多く、
介護現場や病院勤務と比べてワークライフバランスが取りやすいです。
メリット②:チームでの支援が可能
センター内には「看護師」「社会福祉士」「主任ケアマネ」など、
異なる専門職が在籍しており、一人で悩みを抱え込まずに支援できる体制が整っています。
メリット③:制度に詳しくなれる=将来の選択肢が広がる
地域包括支援センターでの経験は、以下のようなキャリアアップにつながります。
- 行政職・公務員試験(地域福祉担当)
- ケアマネとしての転職や独立
- 講師・相談業務のフリーランス化
- 社会福祉士として成年後見人の担い手になる
給料を上げるために今すぐできること
①「資格手当あり」のセンターを選ぶ
運営法人によっては、以下の資格に対して手当を支給しているケースがあります。
資格名 | 月額手当の目安 |
---|---|
主任介護支援専門員 | 5,000〜20,000円 |
社会福祉士 | 3,000〜10,000円 |
認知症ケア専門士 | 2,000〜5,000円 |
特に「主任ケアマネ」は地域包括支援センターで必須となることが多いため、取得しておくと転職時に有利です。
>>【2025年最新】社会福祉士・精神保健福祉士の年収比較【高収入を目指す方法も解説】
② 直営の公務員として働く
地域包括支援センターの中には、
市役所の職員が常駐している**「直営センター」**も存在します。公務員として採用されれば、
民間よりも安定した収入と昇給が見込めます。
勤務形態 | 平均年収 | 昇給・賞与 |
---|---|---|
委託(民間法人) | 320〜380万円 | 昇給少・賞与年2回(1〜2ヶ月分) |
直営(地方公務員) | 400〜500万円 | 定期昇給・賞与年2回(3〜4ヶ月分) |
③ 副業や情報発信で「+α」の収入を得る
「給料が安い」からといって諦めるのではなく、
副業やスキルを活かして収入を補うという選択肢もあります。
- ブログやSNSで福祉に関する情報を発信
- 福祉系セミナー・研修講師
- ライティング(記事執筆)や教材作成
- メルカリなどでの物販
福祉の経験は「誰かの役に立つ」知識です。それを発信するだけでも、収入につながるチャンスがあります。
>> 福祉業界で働く方へ!知識と経験を活かせるブログ副業のすすめ
まとめ|地域包括支援センターで働きながら賢くキャリアと収入を伸ばす
地域包括支援センターの給料が安いのは、
制度と運営の構造上の問題であり、
個々の能力や努力では変えにくい部分があります。しかしその一方で、
- 経験を活かした転職・キャリアチェンジ
- 資格取得による待遇アップ
- 副業や発信による+αの収入
といった「未来を見据えた行動」をとることで、収入面の悩みを解消することも十分に可能です。
「給料が安い」と感じる今こそ、
自分のキャリアを見直すチャンスかもしれません。
焦らず、でも少しずつ、一歩ずつ行動していきましょう。
>>福祉職におすすめの副業5選!スキマ時間でできる手軽な副業から紹介
最後までお読み頂きありがとうございました!
コメント